青森県公立高校入試(国語・2021年度)の分析
2021年度の青森県高校入試(国語)について、概観と分析を行います。
なおこの記事は、受験を志す生徒のみなさんに向けたものではなく、国語教材制作者および指導者へ向けたものです。
2021年度 青森県公立高校入試
2021年度の青森県の公立高校一般入試は、2021年3月5日に実施されました。
問題と解答は、青森県のwebページに掲載されてます。
https://www.pref.aomori.lg.jp/bunka/education/ac-sembatsu_2021.html
ここでは、国語の問題について分析します。
大問構成
1 放送による聞き取り問題
2 漢字の読み書き
3 古文の読解
4 説明的文章の読解(非公開)
5 文学的文章の読解(非公開)
6 課題作文
6大問構成です。
大問4・5は著作権上の配慮から文章非公開とされています。そのため現段階では分析ができていませんが、作品名など詳細が分かり次第、あらためて記事を追加する予定です。
各大問の分析
1 放送による聞き取り問題
・中学校の生徒総会での、環境委員長と生活委員長からの発表を聞き取って答える問題です。問題用紙に資料が印刷されており、放送の内容と資料を見ながら答えます。
・問題は4問で、聞き取った内容について2問、資料に入る標語を書かせる問題が1問、発表の仕方を問う問題が1問出題されました。
2 漢字の読み書き
・読み5問、書き5問の出題で、それぞれ音訓が出題されています。書きはすべて小学校の学習漢字です。
・同音・同訓異字の問題が出題されています。
3 古文の読解
・『枕草子』より「陰陽師のもとなる小童こそ」(281段)からの出題です。
・全3問で、歴史的仮名遣い(「いはせぬ」)、主語が各1問ずつ、文章の内容をまとめた文の空欄補充(20字の記述)が1問出題されました。
・短い文章ですが、話の筋が理解できていたかどうかが得点できるかのポイントになります。
4 説明的文章の読解(非公開)
5 文学的文章の読解(非公開)
6 課題作文
・二つの名言を読んで、提示された観点から、自分の意見を述べる問題です。
・ディベートでも、一つを選んで書く問題でもなく、二つの名言を対比させたうえで、自分の意見を書く問題です。
かなり抽象度が高い問題と言えます。過去の公立高校の入試問題の中でも、きわめて抽象度が高い問題と言えると思います。
意見の観点が提示されていますが、この観点も「生き方の違い」という抽象度の高いもので、まず抽象概念を用いて論理的に意見を組み立てる、という訓練をしていないと、短時間で作文にまとめるのは難しいと思われます。
思考力を測る良問と言えるのではないかと思います。